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「遂にこの時が来たな…。」
「あぁ。これで俺らも戦士になれるんだ!」
二人の少年は喜びで顔を弛めながら、これから待ち受ける事について話している。
「あそこが村長の家だ。」
彼の名はアレン。真っ黒な髪に、灰色の瞳を持っている。
「本当、この村は何にも変わらないよな…。」
対して、少しくすぶったような赤い髪に、燃えるような紅の色を宿した瞳を持つ彼の名はジェラルド。
体格に恵まれており、アレンよりも背は高く筋肉質な体である。小さな頃に喧嘩をするような事があったが、その際はいつもアレンが泣かされていた。
そんな二人だが村には彼らと同じ歳の子どもが全く居ないせいか、生まれてからずっと一緒に遊んでいた。
お陰でアレンは一人っ子であるが、ジェラルドとは本当の兄弟だと思える程仲が良い。
「それじゃあ入ろ…」
「アレン、ジェラルド入っていいぞ。」
扉の向こうから聞こえた声はまさしく村長の声だ。まるで二人が今来る事を知っていたかのようだった。
「「はいっ!」」
アレンとジェラルドは、思わず口を揃えて返事をする。
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