第五章 都バクーバ

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「んっ、あぁ……朝か。」 昨日の夜、アレンは気が動転していて気がつくとテントの中で寝ていた。 上体を起こして左右を見ると誰も居らず、アレンだけ寝かされていたのだ。 『二人とも起きてんのか。それにしても昨日の……。』 などと記憶を思い出していた。するとそこにマナが入って来た。 「あれ、もう起きてんだ。ご飯出来てるからが冷めない内に来てね。」 そう言ってテントを出ようとして背を向けるマナを、アレンは呼び止めた。 「ちょっと待って!え~っと、昨日の事なんだけど…」 そう言った途端、マナは一瞬、ピクンと体を反応させる。 「その、何て言うか……」 「昨日の事が、どうかしたの?」 「あー……やっぱり止めた!今のなしだ。」 「えぇ!?」 まさか言いとどまるとは思ってなかったマナは、訳が分からず声を裏返させる。 「よし、飯だ飯。」 「ちょっと、何よそれ!」 つっかかろうとするマナの手をかいくぐり、アレンはテントを出る。 外ではジェラルドが皿に料理を取り分けていた。
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