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ふと思った事を、ヒナタに言ってみた。
「なぁ、お前のその眼ってどう見えてんの?」
ヒナタは驚いた顔をした。
「え?普通に見えてるよ?」
と、答えた。
…かみ合ってねぇし。
「そうじゃなくて、お前の眼で色は見えてんのか?それとも色は見えねぇのか?」
一瞬、ビクリと肩が上がったように見えた。
「昔はちゃんと見えてたよ?……色…。」
「昔は?」
「うん。今は少ししか色見えないの…。白眼の時は無色だけど…白と黒だけの世界になるの。…日向の人は皆そうなの。ネジ兄さんだって、私よりも色が分からなくなっていると思うの……。」
興味本意で軽く聞いただけなのに、こんなにも深刻な事だったなんて…。
「じゃあ、これは分かるか?」
丁度目の前にあった花を指差した。
色は桃色。
「う……ん…。し…白?」
本当に見えないんだな。
まぁ、ヒナタは嘘をつくような奴じゃねぇし。
俺はヒナタに近づいた。
両腕を俺の両肩に乗せる。
「じゃあ、俺の眼の色は?」
顔を赤くしてヒナタは俺の眼を見た。
「えっと……。黒…漆黒の綺麗な……」
感情が抑えられなくなった。
うっかりキスしてしまった。
ヒナタの顔は真っ赤になっている。
あぁ…嫌われたかな?
「悪いな……単に俺はお前が好きってだけでな………?!」
慌てて言った。
けれどヒナタは俺の服の裾を掴んだ。
「?ヒナタ?」
そのまま小声で話し出す。
「あ…有難う…キバ君………わ、私も……好き…だよ……。」
俺まで顔が赤くなったような気がした。
一気に気が楽になった。
とにかく、今凄く幸せだ。
ヒナタを抱き締め耳元でこう言った。
「大好きだぜ…ヒナタ…!」
―END―
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