心繰隷嬢-シンソウレイジョウ-

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「起立、気をつけ、れいっ」 さようなら、とちりぢりに自分の行動を始めるクラスメイト。 この高校に入って一ヶ月。すっかり見慣れた光景となった放課後。 席の一番後ろ、窓側の席。 私はなにをするでもなく、そこで皆の行動を座って見ていた。 右手は自分の机に置かれた鞄を握っているが、中身には何も入ってはいない。 ―――3日連続 そう、3日連続。私の親友の愛香が立て続けに3日休んでいる。 それだけならまだいい。 風邪なんかだったら、治せば済むことだ。 しかし、理由はそんな日常的な単語ではない。 行方不明、らしい。 詳しいことは知らされてない。 先生も愛香の休みについては触れない。 2日前にかかってきた愛香の母親からの電話がより一層不安を煽るのだった。
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