7人が本棚に入れています
本棚に追加
嫌な静けさに少し濡れた地面に足音が狭い路地に反響してこだまする。
男が一歩 また一歩近く。
これからの出来事に女性はただ金縛りにもがくばかり。
蛇に睨まれた蛙
今の状況を一言で表す。
だ
だ ず げ ぇ
女性がやっとの思いで振り絞った声。
声というより呻き声だ。
二人の距離は拳一つ分。
女性が出来る事は涙を流すばかり。
男が触れようとした瞬間に、俊哉は胸ポケットに差してあったボールペンを素早く投げつける。
男の動かす手の甲を直撃させた。
が
ほんのコンマ動きを止めただけで振り向こうとしない。
それでも俊哉は次の行動に瞬時に移していた。
男に近づいた時、笑いながら振り返る。
誘われた
だがそれを読んでいたので男の奇抜なナイフ動きに紙一重でかわし、男の顔を一蹴する。
めきっめきメキ
男はぶっ飛ばされ壁へと激突するが、数秒で動き出す。
その隙に女性を逃がし、男を見据える。
「何者だ?」
上から声が聞こえたと感じた瞬間、男がぺしゃんこになった。
最初のコメントを投稿しよう!