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朝焼けが穏やかになる頃、家を出た。
徒歩で駅まで行き、電車を乗る事20分。
着いた先は少し年季の入った建物だ。
階段を上る事4階、一つのドアが通路の横に見えた。
[アニメ大好きクラブ]
出入り口の擦りガラスには変梃なテプラでそう書いてある。周りを見回しても、通路の奥は掃除用具しかなく、行き止まり。4階にはこの扉一つしか無かった。
間違ったかな?と不安を抱きつつもノックをするが、返事は無い。
恐る恐るドアを開くと、中は薄暗く、ブラインドから少し光が洩れている程度。
周りを見回すと誰もいない…。
《トン》
こめかみに触れたと気づいた瞬間、銃口をつけられた事に驚いた。
全く気配に気付かなかった。顔を動かせば殺される。
動揺を必死に隠す。
「なかなか良い面構えだな。しかし、もう少し意識をした方がいいな。日本だからと言って、扉のテプラに気を許しては死ぬぞ。」
こめかみから銃を外され、人物を確認すると少し驚いた。声は男なのに、姿は女性なのだ。
「君が高槻俊哉くんだな。私がこの内閣調査室特別捜査課の室長、近藤雅美だ。宜しく。早速仕事なので付いて来なさい。」
ソファに掛けていた上着を取り、身を翻し外へと出る。
俊哉は言われるがままに後を追う。
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