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駐車場に停めてあったロメロに乗り込み10分。
着いた先は……………[アニ〇イト]と書かれている。
しかも玄関先から長蛇の列が並んでいる。
室長は気にせず手招きし、列の後方に並ばせた。
「室長これは何ですか?」
!!!
「何も聞くな。極秘事項なんでな。この封筒を持って並んでいろ。順番が来たら品と交換するんだ。」
両肩を掴まれ、凄みを入れて話して来た為、俊哉は思わず言葉を呑み込んだ。
室長は用があると言い、待ち合わせは駐車場とだけ言って颯爽と走り去った。
待つこと2時間。
流石に炎天下の中は立ち眩みを起こしそうなものだが、並んでいた人達の違う炎に少しばかりぐらついた。
順番が来て商品を受け取った。
Wiii
今流行りのゲーム機だった。
とにかく封筒にはお金が入っていたので購入し、駐車場へと戻る。
しかし室長の姿は無く………待つこと30分。
ようやく姿を見せた室長の姿は、両手に手下げ袋。背中にはさっきまで無かったリュックからはみ出したポスター。
室長の顔は満面の笑みをしていた。
「いや~スマナイ。欲しい物が多くて柄にも無く大人買いをしてしまったよ。」
確かに柄にも無いな…。スーツで決めたやり手の様な女性がしないだろう…。
「とにかく帰るぞ。」
荷物を車に詰め室長は簡単に告げる。
唖然としながらも俊哉は恐る恐る尋ねてみる。
「ひょっとして…今日の仕事は…」
「そっ!列ぶ事。助かったぞ。新人君。」
夕焼けに沈む街中を車から眺めつつ…何故か死んだ様な目をしていた俊哉だった。
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