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某ホテルの28階のバーに恭一郎と俊哉はいた。
男二人で来ると何かと場違いな感じもする。
辺りは静かで、グラスを奏でる氷の音しか聴こえない。
皆この空間を堪能しているのだろう。
二人は奥のカウンターに座った。
恭一郎はテーブルに飾られていた一輪挿しの花を手に取り、少し眺めたかと思うと、花を逆さまに挿した。
それを見たバーテンダーは注文をしていないのに、青いカクテルを置いた。
恭一郎は一飲みでグラスを空にした。
バーテンダーはグラスを下げると同時に白い手紙を渡した。
受け取った恭一郎は俊哉に合図し、すぐさま外に出て行く。
「何をされていたんですか?」
俊哉は恭一郎に聴いてみる。
「あのバーテンダーは情報屋でね。情報が欲しい時は花を逆さまにするのが合図。
お酒を一口で飲めば、情報料100万。二口なら10万。三口なら1万というランクを示すんだよ。」
恭一郎が手渡された手紙は情報のリストみたいだ。
「うん。あったよ。コル・スコルピオはどうやらハイ〇ットホテルにいるみたいだね。
明日高槻君にはハイ〇ットにチェックインしてもらう。中で潜入捜査をお願いするよ。
定時連絡はこの携帯にかけるから。」
携帯を渡された俊哉。
この早い展開に認識がついていくのがやっとだった。
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