潜入

2/3
前へ
/54ページ
次へ
 昼前にしかチェックインが出来ない為、ロビーで新聞を読みながら辺りを観察する。 華やかで、とても綺麗な内装をしている。 海外の人が多いみたいで、多種多様な言葉が耳に入ってくる。   仏♂・「めっちゃオモロい漫画があんねんって。」   仏♀・「マジで!今度見せてぇや。」   脇で賑やかに話すフランス人。   露♀・「早く金頂戴。アナタは私のお財布よ(笑)」   米♂・「実はお前の名義で金借りまくり(笑)」   言葉がわからないと思って嘘の意味を言い合うカップル。   本当に多種多様だ。   扉からニット帽とサングラスをした銀髪が入って来る。          !!!   あの銀髪…あの気配は…まさか一昨日の。   少し見てヤバいと思った瞬間、ニット帽の男と刹那の差で目が合わなかった。   ………………ヤバい。   もう一人の男も相当なプロだ。 目が合ってたらまず危険だっただろう。   背筋が凍りついた。   二人がエレベーターに乗り込み、ロビーから気配が消えると、今度は全身に熱が放出される。   この任務は困難かもしれない…。   俊哉はより一層気を引き締めて受付に向かった。
/54ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加