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胸ポケットから微弱な振動を感じとる。
定時報告の時間だ。
「潜入初日はどうだい?何か進展はあったかい?」
電話に出ると恭一郎からだった。
少し安堵する。
「今チェックインを済ませて部屋に入った所です。このホテルでちょっと気になる人物を見かけて。
ひょっとしたら捜査に支障が出るかもしれません。」
俊哉は銀髪の男、褐色の男、二人の事を恭一郎に話した。一昨日の事も含めて。
「わかった。一回その二人を少しこっちで調べてみるから。
とにかく今日はさほど動きは無いと思うから、ホテルの構造を熟知しておいてくれ。
何が起きても良い様に。また夜電話する。」
電話を折りたたみポケットへと終う。
部屋はコル・スコルピオのメンバーがいる部屋の2つ真上だ。
もし下に部屋をとっていたら、上に行く理由が殆ど無くなる。
捜査がし易い様に考えられている。
とにかく下の様子を部屋の窓から見下ろす。
!?
ターゲットがいる部屋の窓の色が曇っている。
!!やばい。
俊哉は素早く部屋を飛び出し、エレベーターを使わず階段で2階下へ駆け降りる。
腰に忍ばせた銃を手で確認しながら。
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