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外に出ると陽射しが少しキツく、病み上がりな俊哉には若干辛かった。
「まぁ人間どれだけ鍛えても弱い部分は出るからね。
今回は私も一緒に行動するから。」
恭一郎はポケットから冷たい飲み物を俊哉に渡す。
「これからどこに向かうんですか?」
俊哉が飲み物に口をつけながら質問する。
「聞き込みをしに行くんだよ。
まぁついて来ればわかるから。」
恭一郎が共に行動してくれる事がとても頼もしく、少し気持ちにもゆとりが出来る。
二人は電車を乗り継ぎ、来た場所は………どう見てもヤ〇ザの家だった。
ピンポーン
恭一郎は普通にインターホンを押す。
辺りには人気は無く、あるのは死角が無いくらい張り巡らした監視カメラ。
《何かご用ですか?》
マイク越しから返答がある。
「親分さんにお目通りを願います。恭一郎が来たと伝えていただければ分かりますから。」
《…暫しお待ちください。》
5分くらい待つと、大きな門が自動で開き、案内役の方が一人立っていた。
手を差し伸べられるまま、二人は後に続いた。
奥の間に通され、面会者を待つ。
辺りはまるで時代劇の様な広間だ。
静かに時が過ぎる事10分。
大きな足音が近づいて来た。
「恭一郎!!久しぶりじゃなぁ(笑)!!!」
七尺はある大男が襖から現れた。
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