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バタン
家にたどり着いき、自分の部屋へと入る。机に鞄を置き、ベッドに腰を下ろす。
「――ふぅ。」
少し溜め息をつき、数十分前を回想する。
街中の死体。
群れる野次馬。
掻き分ける救急隊員。
鉄錆が焼ける臭いに未だ鼓動が鳴り響く。
見据える。
自分の未来を
じっと見開く。
段々見えて来た。自分が何をしたいのか…。
それはとても難しく、とても辛い道のりだろう。
出来ないかも知れないが、先ずは足を踏み出して見ようと決意した。
親に相談した。
かなり反対された。
でもやりたかったから説得してみた。
母は泣いた。
後日、進路指導室を訪ね、先生に話してみた。
「本当に高槻はそれで良いんだな。わかった。」
先生は僕の意志を汲み取ると、何も言わなかった。
窓から差し込む日差しが凄くギラギラしていて、自分の人生の過酷さを暗示しているかの様だった。
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