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ふ~、長い飛行機の中ですし詰め状態。体が鈍る。
到着後、荷物を取りに行き、体を伸ばす。
飛行場を後にし、晴天の日差しを浴びる。
この国の太陽は柔らかいなぁ。
タクシーを捕まえ、ある場所に向かう。
数時間のタクシーの中、運転手と他愛も無い話をして、到着。
ポケットから取り出した鍵を見つめる。
この鍵を差し込むのは、実に5年振りだ。
鍵を差し込み静かに解除の音がなる。
扉を開き、奥の居間から出て来た女性は驚く。
「ただいま。母さん。5年も経つと少し小柄になったね。」
照れ笑いしながらポツリと話す。
「あんた5年も帰らず、手紙のみで…本当に親不孝な息子だよ。まっ。元気で何よりだよ。お帰りなさい。」
涙目でも口調には安堵感があり、優しく中に招き入れてくれた。
やはり自分の家というのは、何とも言えないくらい優しい空間に満ち溢れている。
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