プロローグⅠ

12/34
前へ
/465ページ
次へ
 一方的に話しかけられただけで、言葉のキャッチボールが成立していない。  結局、今日はまともに人と話せてねぇな……  もっと物寂しい気分になってしまう。生徒会長さんに陰気臭い顔すんなって言われても、なってしまうもんは仕方ない。  寮への道の途中で見つけた購買部で買ったカップラーメンを片手に持って、再び歩みを進めた。  放課後でありながら早くにクラスが終わったせいか、太陽も未だ高い位置にある。日差しがオレの目を刺激し空を見上げさせる。  その時、校舎が目に映った。それは古いが補修されなければならないようなところは、確実に直されている。いうならば、風情あるオンボロ。  そんな事を考えながら歩くは、寮への綺麗な桜並木の道。こんなブルーな気持ちじゃなかったら、桜舞い散る道の風景を楽しみながら歩けたのだろう。  こうして、記念すべき学校生活第1日は終わった。
/465ページ

最初のコメントを投稿しよう!

808人が本棚に入れています
本棚に追加