プロローグⅠ

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 その日の放課後、下駄箱を開くと、オレの靴の上に小綺麗な一通の便箋があった。  まさかと思い便箋を開いて、内容を確認した。 『あなたに伝えたい事があります 今日の午後9:30に 1ーEの教室で待ってます』  これが噂のラブレターかっ!!  今までチビ達の世話しかしてなかったオレにとって同年代の女の子とは無縁だった。  憧れのツバメさんはオレみたいな子供は恋愛対象には入ってないみたいだし、遠くから眺めるだけだった。  しかし、そんなオレにラブレターだなんて!  オレの恋の神様、絶賛全力活動中!!  ……いや、落ち着け。ラブレターと決まった訳じゃないんだ。もしくは入れ間違いということもある。  とりあえず、近くにある時計を見た。  なぜか学校に慣れ始めた今でも午前中に全ての授業が終わる。ゆえに、12:30だ。  空腹でお腹と背中がくっつきそうなのに気付き、昼ご飯を食べるため、一旦、寮に戻ることにした。  まぁ、念の為に風呂に入っておこう。  ゙念の為゙だからな、やましい気持ちなんて微塵もないからな。大事な事だから2回言ったんだぞ。
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