プロローグⅠ

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 10階まで登らせるっていう理不尽なこの寮にオレが入るきっかけは至極簡単。  物心ついた時には既に親のいなかったオレは本来高校1年生となる15歳まで孤児院に住んでいたんだが、先日オレ宛てに封書が届いた。  何もかかれていない分厚い封書を無理矢理切り開いて、金粉で彩られて一番目立った紙を引っ張り出した。  そのまま書かれた文字を上からゆっくりと確認していく。 『おめでとう。 貴殿は選ばれた。 ゆえに     特別国立学校 に入学資格を強制的授与します ただし、貴殿に拒否権は一切ございません 以下の住所に移住し、本学に入学しなさい さもないと 国家法第17条より 貴殿は      死刑 です 住所 ●●●―×××―第7寮1001号』  最初に見た時の感想は当然こうである。 「……新手の詐欺か?」
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