プロローグⅠ

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"特別国立学校"  ここについて詳しいことなど聞いたことはないが、噂に聞くところによると、この学校は毎年15歳になる人から入学者を選ぶ。  どのような基準で選考されるかは国家機密らしく、ただ有名である事くらいしか知らない。  だが、1つだけ、言える事がある。  それは"胡散臭い"ということだ。  何故オレが選ばれなければいけないのか。  オレの毎日は孤児院でチビ達の世話とかしていたぐらいで院長先生から生活に困らない程度の物事しか教えられていない。  同年代の知り合いなど皆無に等しいオレにはわからないけども、特別頭が良い事もないし運動もそんなにできないって思ってる。  そんなオレを選ぶような学校など、"胡散臭く"て"変な物好き"に違いない。  更にはあんな慇懃すぎる入学告知書なんてもってのほかだ。  百人いれば百人がおかしいと思うだろう。  サイダーから沸き立つ泡のように、疑問は限りなく噴き出し尽きないが、院長先生にたくさん世話かけてしまったから、もう巣立たねばならん。  そんな思いはオレは入学する決意へと導いた。  もちろん、決意しなくとも死刑は嫌だから入学するだろうけど。
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