808人が本棚に入れています
本棚に追加
そして「いってらっしゃ~い」と、たくさんの弟や妹、院長先生に見送られ、5時間の旅をしたのち、先程の地獄に戻る。
もう運び終えた頃には、外もすっかり暗くなっていた。
1通り荷物を部屋の隅っこにかためて、夕飯を兼ねた息抜きにおにぎりを食べる。
いつもご飯をつくってくれてた保母のツバメさんのおにぎり――少し塩っぽくて、とても美味しい。
でも、しばらく食べれないと考えると、いつもより塩っぽく感じた。
いつもチビ達としか絡んでいなかったから、同年代の友人ができるか不安だ。
竹刀を持ってる鬼の熱血教師とか、何かと嫌がらせをする根暗先生とかいないか不安だ。
今思えば、人生で初めて孤独が辛いと思う夜だった気がする。
だが、明日は入学式なんだ。お腹も軽く膨れたところで朝からの疲れもあるし、今日はもう荷物は整理しないでおこう。
春先のくせに、服を絞れば汗がでると思ったくらいよく働いたんだ。
汗の量に比例して疲れたので、各部屋備え付けの風呂に入浴してから寝ることにした。
最初のコメントを投稿しよう!