プロローグⅠ

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 そんなこんなで入学式を終えてホームルームまで命からがら生き残ることができた。  今、教室で行われているホームルームでは自己紹介が行われている。  本当にオレはよく耐えた。自分で自分に大喝采の拍手で褒めてやりたいくらいだ。  心は死の恐怖から解き放たれ気分上々でさらに上昇中。  経験したことはないが、本来の入学式ってこういったもののはずだ。  だが、簡単お手頃臨死体験のせいで平和であるはずの入学式が台無しになってしまった。  溜め息混じりにそんなことを考えていると、オレの前に座る金髪の男子が自己紹介を終えて、とうとうオレの番だ。  回ってきた自己紹介の番も、オレは粗相なく終えることができた。  むしろ、成功したんじゃないかなって思える。  そして、順番は後ろに回って近々お世話になるだろう後ろの人の顔を見るために、振り返ることにした。
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