第5幕 追憶の果て悲しみ

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そしてその数分後数人の客が龍馬を訪ねてきた    藤吉は名刺をもらい2階へのぼっていった    「下に来ている人たちが龍馬さんにあいたいと」  「いいぜよあがってもらえや藤吉」  「へ~い」  藤吉が部屋からでた瞬間肩から胸に到達するようにその凶刃がなぎはらわれた    ドンドドド    「藤吉騒ぐなよなぁ」  次の瞬間数人が部屋の中に飛込むと同時に龍馬に斬りかかった    刺客の一太刀めは龍馬の額を深々と横に切り裂き  これが致命傷となった  龍馬はピストルを構える間さえなかった    「龍馬―――っ!!」  中岡が駆け寄ろうとしたが瞬く間に数回斬りつけられ    二人の抵抗はなにもできぬままむなしく終わった    これはわずか数分の出来事で龍馬は全身に数箇所傷をうけており  中岡は十数箇所の傷をうけていた    龍馬は自らの刀に傷を映して見た    「慎よぉ……」  「おぅ…ここにおるぜよ……」  「わしは脳をやられたから もう駄目だ」  これが坂本龍馬の最後の一言なった    くしくもこの日は龍馬の誕生日でもあった  享年33    日本の夜明けをみる前に龍馬は星となった
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