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レーツェルがクラトスの弟子として共に旅をし始めて2年が経ったある日……
「先生、一つ聞いていいですか?」
夜、森の中で野宿しようとしていた時だった。11歳になったレーツェルはクラトスに尋ねた。
「何だ…言ってみろ…」
「2年前、俺の街を破壊したのはディザィアンだった…それは間違いないですよね?」
尋ねた内容はあの事件についてだった。
「そうだ…それがどうかしたか?」
クラトスはたき火に木の枝を入れながら答えた。
「あの時……大声で叫んだ直後、意識が飛んだんです」
「…意識が飛んだ?」
クラトスはレーツェルの言葉を聞いて一瞬動きが止まった。
「……意識が飛んだ後何が起こったのか全く覚えて無いんです」
「………」
レーツェルの言葉に無言のクラトス。
「……あの時、まだ何かあったんじゃないですか?」
「今日はもう寝ろ…明日には街に着く」
クラトスは話を切って早く寝る様に促す。
「先生…‼」
レーツェルの声にクラトスは聞く耳を持たなかった。
レーツェルは無言のまま寝た。その夜、レーツェルはある精神世界に入る……。
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