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実はメリーナでは収穫祭が二日後に控えていたのだ。そのためか、あちこちで準備が始まっていたのだ。
「収穫祭か…」
宿屋の丘を登った先にある展望広場にクラトスはいた。
「ここにいたんだ🎵」
後ろからレーツェルがやってきた。
「…レーツェルか」
振り返りながら言った。
「ねぇ、クラトスさんはどうして旅をしてるの?」
レーツェルが唐突に尋ねた。
「……私は傭兵だ。旅というより放浪している…」
「ふ~ん…」
クラトスの答に少し分からず、ポカンとした。もう夕日が沈もうとしていた。
「そろそろ戻るか…」
「あっ、うん❗」
二人は揃って宿屋に戻っていった…。
翌朝…ついにそれは起こった…。
カン‼カン‼カン‼警報を伝える鐘の音が町中に響いた。
「…⁉」
部屋にいたクラトスは剣を取る。
「お客さん‼ディザィアンが襲ってきたんだ‼」
廊下からレーツェルの父が出てきた。
「お客さんも早く逃げな‼レーツェル‼母さんを呼んでくれ‼」
父は走っていった。
「…せめて彼等だけでも…‼」
クラトスは心の中でそう言って、外へ出た。
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