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「俺は……誰だ?………ここは…何処だ?」
「彼」は心の中で思った。見えるのは闇のみ。何でなのかは分からなかった。ただ覚えているのは誰かの叫び声だった。悲しみ、怒り、憎しみが篭ったような叫び声だった。「彼」はその時生まれた。そして心の底からとてつもない負のエネルギーが湧き出た。
「そうか…これが俺か…」
「彼」は全てを理解した。
「俺はアイツの闇で生まれたのか…」
そして、生まれて初めて力を使った。その時…
ズドォォン‼💥
雷の雨が降った…これが「彼」の力だった。その時初めて「表」に出た。最初に見た光景は、辺り一面炎に包まれた街だった。それを見た「彼」は何故か歓喜を感じた。そして…静かに笑った。その直後また周りが闇に包まれた。
「……俺はいずれ奴の肉体を奪ってみせる…その時まで力を潜ませるか…そして……」
暫く、黙り込んで……
「そうだ……名を決めないとな……よし…今日から俺は………ヴァーレルだ…」
レーツェルの闇の存在、「ヴァーレル」が誕生した瞬間だった…。
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