第一章 覚醒〈メザメ〉

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数多くのカプセルが並べられた、広い部屋。   ほとんど開いているが、まだ開いていないものもある。   今、その中の一つが開く。   カプセルの中からは、一人の少年が現れ、床に足をつける。   少年は驚きながら、辺りを見回す。   「ここは………どこ………?」   少年が出した第一声がそれだった。   「…………誰がいるの?」   「!!」   少年は驚いて、声のした方向を向く。   するとカプセルの陰から少年とあまり年の変わらないくらいの少年が現れる。   「あなたは…誰ですか?」   少年は名前をたずねた。すると、   「僕は、アース。君の名前は?」   との返答が少年に近づきながら返ってきた。   「俺は………」   少年は名前を答えようとした。しかし、   「うっ、うわあぁぁぁぁぁ!!」   少年に頭痛が走る。   「君もなのか……。」   アースは落ち込むように言う。   「君もって?」   頭痛が治まり、少年がたずねる。   「僕達も君と同じで、名前が思い出せなかった。」   「えっ、けど今アースって…」   「あれを見てごらん。」   アースはある開いたカプセルを指す。   少年はカプセルに近づく。   「それは僕が入っていたカプセルさ。下の方にプレートが付いているから読んでみなよ。」   少年はプレートを見つけ、読む。
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