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「最近、夢を見るんです。」
「夢、ですか?」
骸様ははい、と頷きながら私の腰に手を回す。
骸様は座っているから必然的に私は骸様を見下ろす形になる。
「…どのような夢ですか?」
骸様の額にキスしながら尋ねる。
唇を離すと骸様のオッドアイが私を捕えた。
「…貴女が、いなくなる夢です。」
「私が、ですか?」
腰に回された手に力が入った。
私は藍色の髪を撫でるだけ。
「貴女が泣きながら、僕に笑いかけるんです。サヨウナラって、何度も口付けをして。ゆっくり、闇に飲まれていってしまうんです。」
「骸様」
「嫌なんです。貴女がいなくちゃ。」
「骸様」
「ズッと、側に」
「骸様。」
悲痛な叫び。
聞いていられなかった。
骸様の唇に自分のを重ねる。
何度も、何度も。
「私は今、こうして骸様の側にいます。」
こうして抱き合ってる。
こうして暖かさを感じる。
こうして、
愛し合っている。
「それだけで、十分じゃないですか。」
「…そう、ですね。少し、弱気になっていました。」
そう言って私の腰に顔を埋めた。
「骸様、愛してます。」
「…知ってます。」
「ずっと側に居てもいいですか?」
「クフフ…何を当たり前な事を。」
急に骸様が立ち上がった。
次の瞬間には口を塞がれていた。
「(誰が何と言おうと、貴女だけは離しませんよ?)」
=end=
…( ̄▽ ̄;)))))
スイマセンっした!
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