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｢まままっ……まさかほんとに迷うなんて……！ 一体、この家 来るの何度目だと！？ あぁ～、どうしようっ……｣
トイレに行くには行けたが、なんと帰り道がわからなくなってしまった。
｢とりあえず、トイレに行けたのが唯一の救いかな……｣
彼女は呟きながら、辺りをキョロキョロ見回す。
赤い絨毯の敷かれた長いローカは、知香のいる場所から左右に伸びていて、どちらもがかなり長い。
右の道は、突き当たりまで進むと右に折れるが、左に行くとさらに左右に道が続いている。
正面にも長いローカがあり、それはほぼ一本道で、遠い向こう側でどちらかに折れるらしい。
｢どんだけ広いのよ、この家はぁ～っ！｣
頭を抱え、知香はじだんだを踏む。
｢どっ……どうしよう！ なんかどの道を通って来たのやら、わかんない！ ってか、トイレからも移動してきてるんだから、ひょっとしたらさらにどっかで間違えてたりとかして！？｣
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