1169人が本棚に入れています
本棚に追加
う わぁ……。
知香が心の中で感嘆の声を上げ、頬を赤くしたのも無理はない。
その女性は、艶やかな黒髪を後ろでまとめ、立っている姿さえしゃんとしている。
切れ長の大きな瞳に、長いまつ毛。
薄い唇に、白い肌。
たいそうな美人だった。
少し、目尻にしわなどがあるが、その美貌の前では意味をなさない。
それに、彼女から発される雰囲気のようなものが、知香と変わらないくらい、若々しい。
「どうなさったの?」
不思議そうに首を傾げ、その人は知香に尋ねた。
「あ! えと……、ここはどこですか!?」
みとれていたことに気づいた知香は、ハッとした後、そう聞き返した。
「…………」
女性は呆けた顔をしたまま、知香を見ている。
最初のコメントを投稿しよう!