1169人が本棚に入れています
本棚に追加
女性は顔を上げると、キリリとした表情で、
「申し遅れました。私(ワタクシ)、
ユイイノケ
結井野家、第九代家元 並びに、写宮 嵐の母でございます。
ウツミヤ カエ
写宮 華江と申します」
「…………」
華江のこの爆弾発言に、知香は言葉を失った。
「……写宮くんのお母さん……?」
「で、ございますわ」
え──────?
にっこりと微笑む華江を、知香は間抜けな顔で凝視した。
た、確かに、似てると言えば、似てるんだけど……
けっ、けど!
「あの……また失礼を承知で聞きますが……おいくつで?」
「今年で33になります」
「………っ…」
口元を引きつらせる知香に、もはや取り繕う余裕はない。
最初のコメントを投稿しよう!