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渋る華江を一刀両断する写宮。
「ちぇ……。またね、知香さん」
そう言うと華江は、少し寂しそうな顔をして、知香に手を振った。
「あ! あのっ……」
「?」
「また来ます!」
「!」
知香の言葉に、目を見開く華江。
そして、嬉しそうに口元を綻ばすと、
「ええ、是非。美味しいお茶菓子 用意して、待ってますわ」
その笑顔に、知香も笑顔で答えた。
バタンッ……。
襖が、写宮によって乱暴に閉められる。
茶室に残された華江は、それはおかしそうに着物の裾で口元を押さえ、
「あの子が、嵐にとっての一番の“興味”……なのね」
..fin
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