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「土山ぁぁぁぁ「さぁぁぁん」!」
爆発した勢いそのままに、三人はバァーン! と部屋に乗り込んだ。
もはや一刻を争う事態である。
まさかあの土山にこんな一面があったとは──。
…………
「あれ?」
知香は、ポカンと口を開けっぴろげた。
「あっ、嵐様!? 仁志様、知香様も!」
土山が驚いたように動きを止めた。
綺紗も口元を押さえたまま、立ち尽くしている。
そして、土山の腰には──。
「……フラフープ?」
・・
そう、あの──。
ピンク色の、プラスチックの、円形の、一昔前に流行ったあの、“フラフープ”が、土山の腰でクルクルと回っていた。
「な、なに……?」
三人ともが呆然としていると、
「ちっ、違います、嵐様! この土山、決してこないだの健康診断で肥満気味の診断が出たなんてわけでは……! このままではまずいと、痩せるために通販でフラフープを購入してみたなんてことは、決して……」
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