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「…………」
「……あ」
土山は硬直し、涙ぐんで綺紗に振り向いた。
「バレました……かね?」
「当たり前です、土山さん!」
綺紗はあきれかえって、腰に手を当てた。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
車が空を切る音が、車内にまで聞こえてくる。
「まったく人騒がせな……」
写宮が疲れた顔で、腕組みをした。
「も、申し訳ありませんでした、嵐様……」
しゅんとしおれた土山のハンドルさばきは、いつもよりこまやかだ。
「そんなんだったら、普通に言ったらよかったのに。そしたら、もっといいサプリメントとか、運動グッズとか買ってあげたのにさ」
「そういう問題か?」
知香と柳が同時にツッこんだが、
「そんなことなりません、嵐様!」
土山はそれを遮った。
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