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-ななせサイド-
私は宗崎ななせ。
私が城華学園を志望した理由は、この学園でサッカーをしたいから。
だけどこの学園にはサッカー部がない。
そんな事承知で入ったに決まってる。
私はサッカー部を開設してやるつもりでいたわ。
女の子だからってサッカーが出来ないわけじゃないもの。
私は男の子も女の子も自分らしいサッカーが出来る、そんなサッカー部を作りたい。
だからあえてサッカー部のないこの学園を志望したの。
一からやるのが私のポリシーよ!(←え)
絶対、燃えるサッカーしてやるんだから!
そして今日は城華学園の入学式。
私は今、桜並木を見ながら学園に向かって歩いている。
まずは自分の教室に行かなきゃいけないのに、教室の場所がイマイチよく分かんない。
一応地図は持ってるんだけど、見たところすっごいごちゃごちゃしてるわけよ。
1人で足を踏み入れたら二度と生きては戻れないお化け屋敷みたいな(←たとえが怖い)
だから誰か付き添ってくれる人を見つけなきゃ。
とか、思って歩いていたら。
学園の校門の前で綺麗な銀色の長い髪をして桜の木を見上げている女の子が私の目に入って来た。
「あの…」
私は緊張しながらもその人に声をかけた。
「…何?」
その人は、声も落ち着いてて大人っぽかった。
「私1年生なんですけど…、貴女も?」
私は一応訊いておく。
「そうだよ」
「じゃあ教室まで一緒に行ってくれませんか?」
「別にいいよ」
よ、良かったぁ~。
ちゃんと言えた~
「あ、敬語じゃなくてもいいよ。
アタシ、灰っていうんだ。李樂灰。
灰って呼んでいいよ」
「それじゃあ…タメ語で!私は宗崎ななせ。ななせでいいよ」
何か和やかモードになってるなぁ。
と、私の心が落ち着き始めてきた時、
「1年生の教室探してるんやー」
と、学園のグラウンドの方から大きな声が聞こえた。
「ななせ、悪いけどちょっと待ってて」
灰はダルそうに言うと校門をくぐった。
何しに行くのかな?
疑問を持ちつつ、灰が行ってしまって、私が暇を持て余していると、
「あの、ちょっといいですか?」
と、後ろから女の子の声が聞こえた。
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