14人が本棚に入れています
本棚に追加
「すいません、1年生の教室ってどこか分かりますか?」
僕がそう言うとその人は僕をジッと見つめてくる。
あのー、僕の顔に何かついてますか?
僕が本気でそう思った瞬間。
「おー!エクスキューズミー♪あんた名前は?ウチは凪砂邑嗄」
と華麗に自己紹介された。
凄いテンション高いな。
思わず圧倒されてしまう。
っていうか、
自己紹介されてもリアクションに困る…。
僕は教室探してるのに。
話逸らされちゃったな。
「僕は瀬尾亜紀です」
それでも僕は一応答えとく。
いいかい?生きる為にはこういう事も必要なんだ(←誰)
「亜紀か、ウチの事はお嬢とでも呼んでくれ♪」
…お嬢??
訳分かんないよ、
わかめマンだよ(←!?)
ちなみにわかめマンとは、言ってる事がとことんギャグ一直線の人と喋ってて自分自身のテンションまでおかしくなってしまう事を言うんだよ(←言わないね)
…?
じゃあこの場合僕がわかめマンなのか??
僕は断じてわかめじゃないぞ!!
っていうのはどうでもよくて…
とりあえず凪砂さんに返事しなきゃな。
と、思いつつ、
「え…と…」
僕は返答に困ってしまった。
絶対誰だって困るでしょ!
「ウチの事はお嬢とでも呼んでくれ♪」なんて言われたら!
とかって僕がパニックに陥っていると、お嬢(←結局呼んでる)が口を開いた。
「亜紀さ、何でウチに敬語なん?ウチも1年生なんやけど」
お嬢は綺麗な笑顔を浮かべている。
「えええぇっ?!」
僕は言うまでもなく驚く。
めっちゃ大人っぽいからてっきり年上だと思ってた…。
「反応おもろいなぁ、亜紀は。
って事でよろしくな!!仲良くしようや」
お嬢は僕にニッコリ笑い掛けた。
あまりにも楽しそうに笑うから僕もつられて笑顔になってしまう。
何か強引な人だけどいい人なのかなって思った瞬間だった。
最初のコメントを投稿しよう!