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その頃、イヴ達はあの場所からやっと離れて、ある人物を捜しに来ていた。
「……的場達……どこにいるんだよ……」
レオはそう呟くと、辺りをキョロキョロと見回した。
イヴは相変わらず無言のままだった。
「俺らの思う場所に、出口ないって…絶対開けるなって神崎さんが言うててん」
―――――数十分前。
伸の言葉に、みんなの表情が暗くなった。
「…どうせ、みんな神崎さんを信じられへんとか……そんな事言うかもしれんけど……けど、今はそんな事言ってられへんやろ?」
「………」
「もう一回みんなと合流しよう…んで、神崎さんに出口教えてもらって…みんなで帰ろうや…」
伸がそう言うと、みんなは無言で床を見た。
「……そんなに簡単に帰れたら……苦労はしてないわ」
そう言う麻穂の言葉も、間違ってない。
実際に人が死んでいるのだ。
簡単に帰れるはずはない。
イヴはゆっくり、頭の中で考えた。
「…………そうだね…伸の言う通り、的場達と合流しよう。」
イヴの意外な言葉に、みんなはア然とした。
「神崎永遠を信じるも信じないも、とりあえず的場達と合流したほうがいい気がする…」
それから、イヴ達はやっとその場所を離れて、的場達を捜しはじめた。
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