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「さっきから…銃声が止まってるね…」
雪乃はそう呟いた。
その言葉に、イヴは少し違和感を感じた。
「……………変な感じ。」
「……え?」
雪乃は目を丸くしてイヴを見た。
「…なんか…銃声が響くのに慣れちゃって…止まると違和感がする」
「…………安心とかしないんですか?」
「………わかんない…ただ…変な感じ。」
雪乃はイヴの大きい手を握った。
「?」
「…ちょっと手…貸してくださいね」
雪乃の黒い瞳に、イヴ自身が映る。
「…なんか……怖くなったんで…」
イヴは笑顔を作り、雪乃の手を柔らかく握った。
「……………じゃ、僕も貴女の手…借ります。」
雪乃は握られた手を見つめると、次にイヴを見た。
「…五年前の……妹の気持ちになった気がしたんで…」
イヴはよくわからない言葉を呟いた。
その時だった。
「……………あれ?」
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