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…ギィイイィ
波が小さな船を揺らす。
雪乃はその揺れに気付き、ゆっくりと目をあけた。
「………」
そして、ゆっくりと辺りを見回す。
「………あ…れ?」
小さな窓から見える太陽の光に目を細めながらも、人物を捜す。
「…神崎さん?」
雪乃はゆっくりと立ち上がり、永遠から借りた上着を持つと、外に出た。
………ザザァア…
外に出ると、真っ青な空と、荒く揺れる波。
もう朝か…
けれどなんとなく、違う。
「………あれ?」
雪乃はすぐに船の先を見た。
「………!!」
赤と茶色の煉瓦が綺麗に並んでいる道に、更に先には可愛い小さな建物がいっぱい並んでいる。
目の前に、陸がある。
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