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ギィイイィ…
雪乃が足を離した瞬間、船からぎこちない音がした。
そんなのお構いなく、雪乃は町並みを見た。
「凄い…私、外国初めてだわ!!凄いね、神崎さん!!」
永遠はまた笑い、黙って雪乃を見ていた。
「真理和…」
雪乃は目に涙を浮かばせて、続けた。
「ここに、真理和がいるんだよね?」
永遠は雪乃の頭を撫でて、答えた。
「…うん…なるべく、いや、すぐに行こう…」
時間がないんだ
そう続けようとしたが、永遠はその言葉を飲み込んだ。
雪乃は涙をふき、笑ってみせた。
「……うん…はやく、真理和に会いたい…」
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