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「鋼介! またお嬢がラブレターをもらったらしいぞ!」
スポーツ狩りの青年がヘッドホンで歌のないメロディーだけの音楽を聞いている青年の机を叩いて言う。
その青年は髪がきちんと調えられていなくぐしゃぐしゃであった。
すると青年は音楽を止め、ヘッドホンを肩に掛けてスポーツ狩りの青年の顔を見る。
「……あんまり驚くことじゃね~よ。いつものことだからな」
「けどよ、今度の相手って言うのが俺達と同じ一年の木藤なんだよ!」
「あぁ、あのスポーツ万能の木藤か。
それよりお前はどこからそういう情報を持ってくんだよ。
まぁ、そんなことはどうでもいいけどとうとうあいつも姫川に告白するのか」
お嬢こと姫川綺羅はこの学園始まって以来の美女と言われていた。
入学式そうそう告白が止まないほどモテる。
顔よしスタイル抜群おまけに勉強も出来運動さえも出来る正真正銘のお金持ちのお嬢様。
「何でそういつもお前は冷静でいられるんだよ。お前はお嬢のこと興味がないのか?」
「……少し俺が昔話をしてやる」
一颯(いぶき)の奴、首を傾げて不思議がっている。
まぁ、この話を聞いたら少しは俺の気持ちもわかるか。
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