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― トントン
「はーい、どうぞー」
中からの返事を確認すると病室に入る。
「よっ」
「歩くん、待ってたよ~」
ベッドで横になったままの紅葉に、笑顔で迎えられる。
俺はいつものように、脇にある椅子に座る。
「いつもと変わりない?」
「うん、それよりも、もっとこっち来てよ」
「どうした?」
と、俺は紅葉に近づく。
「今日は少し起き上がるのがつらいから歩くんが見ずらくて」
「調子が悪いならそう言えって」
心配になった俺は椅子からたってもっと近くに行く。
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