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『すみません、少しの間だけこの娘をかくまってもらえませんか?』 そういって一人の娘を連れてきたのは涼しい日の夕方だった。 シンプルな色づかいのワンピースに白いミュールを履いた髪を胸のあたりまで伸ばした女の子だった。目はおおきく、独特の雰囲気をもった娘だった。目を合わせようとせず、何を考えているのか読めなかった。 『この娘は?』 『今は何も言えません、が、変な娘じゃないんです。お願いします。』 部屋を一つ物置がわりに使っていたので、広く片付けて、そこと布団をひとつ与えた。おかげでソファーで眠ることになったが、以前終電に乗り遅れて駅前のベンチに寝たことを思えばまったく問題なかった。 『ありがとうございます!すみません、こんなことになってしまって…』 彼は申し訳なさそうに謝っていたが、彼女は表情を変えることはなかった。
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