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「こいつはカイ。居候だ」
「話は聞いてたよ、弟の榊くん。俺はヴァ━━━」
「ヴァ?」
兄貴はカイの口を手で塞ぐと家の中に入った。
(やはりヴァンパイア…か。何が目的だ?)
「そうだ兄貴に言わなきゃいけないことがあるんだ」
俺は客間に寝るチビ…いや少女を怪我させた事を言った。
「あれ、シル?」
カイは寝ている少女を見るとベッドの横に座った。
「大丈夫、気絶してるだけで外傷はない。でも何でシルが此処に?五年前に別行動してから会わなかったのに」
「五年ってこの子はいくつになるんだ?」
「ヴァンパイアは歳を取らないだろ?」
隠したって何時かはバレるんだ、こうなったらヴァンパイアの目的を聞き出してやる。
「榊?」
「目的は何だ?兄貴に近付いた理由は━━」
カイは首を傾げた。
「理由?うーん、仁と適合者になったから契約をしたから一緒に住んでる?」
「は?」
「だからいい匂いに誘われて血を飲んだら仁がイケニエになった」
もしかして…知らない?
「…それで何で榊はヴァンパイアを知ってるんだ?」
ヤバイ…感情の先走りで俺が一番の間抜けだ。
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