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いつものように、バイトに出掛けると病院の前で高校生くらいの子に蹴られた。
「いたた…なにするんだ君」
振り返り見ると、髪の毛は銀色で腰まで長く、服はワイシャツにジーパン、一瞬女に見えたが、胸の無さから青年だろう……多分。
その青年は、横切る通行人がよそ見をしてしまうほど綺麗な顔立ちで、俺も見とれて今の状況を忘れていた。
「何するんだは、こっちのセリフだ。お前のせいで他人の人間の血が吸えなくなった」
青年は、俺に覆い被さると上着のボタンをはずし始めた。
「やっ辞めろ……」
いきなり上着のボタンを外し始めて、回りの野次馬も騒だした。
「これが適合の刻印だ」
上着のボタンを外し終えると首筋に向けて鏡を見せた。
「何があるんだよ?」
「いいから、首筋を鏡で見ろ!」
言われた通りに鏡で確認すると不思議な模様の痣が浮き出していた。
「何だ?タトゥか何かか?」
「違う!永遠のイケニエだ」
「はぁ?お前馬鹿か?永遠のイケニエって何だよ?漫画見すぎ……」
俺の言葉に青年は、ポカポカと叩く。
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