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「分かった。夫婦の刻印ってやつをやろう」
「良いのか?一生結婚も出来ないんだぞ?」
「俺に飢え死にしそうなカイを見ろってか?それよりも俺も死ぬんだろ?」
「俺が血を飲まずに亡くなったら…イケニエの刻印は消え仁は自由になる…あっ!」
カイは、両手で口を塞いだが遅かった。
「まさか、そのつもりで待つと言ったのか?」
俺は、両頬をつねった。
「…ッ……そんな優しさは、俺は要らない。婚儀は何をすれば良いんだ?」
「……待ってろ」
カイは、地面に魔法陣らしきものを描き始めた。
「今から俺が呪文を言うから仁は俺が中に入ったら同じように入って来い。そしてお互いの手を握り合うんだ」
俺は頷いた。
【我等の神、吸血鬼よ!今ここに新たな夫婦が誕生する。二人に祝福の証を】
陣が光り出すと、カイが解らない言葉を唱えながら陣の中に入るので俺も入った。
真ん中に着くとお互い向き合って両手を握り合った。
すると光が周りを包み、カイの胸の刻印が浮き出た。
そしてお互いの指には銀の指輪がはまっていた。
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