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それはいつも縁側だった
おじいちゃんが大好きだった
あづの頭を撫でるおじいちゃんの右手が大好きだった
おじいちゃんの薬指は第二関節からなかった
幼かったあづは怪我で失くなった事はわからなかった
それでもおじいちゃんの右手が大好きだった
今はグッピーも鈴虫もいない
そしておじいちゃんも…
ただおじいちゃんと過ごした縁側だけが想い出と共にある
『おじいちゃん あづがする』
『そうか あづがするか』
おじいちゃんはただ微笑みながら
黙ってあづの頭を優しく
優しく撫でた…
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