序章

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「これよりこの娘…陽菜の成人の儀を始める…陽菜よ前へ…」 「…はい」 辺りはもう陽も暮れて暗闇が世界をつつむ… その中に数個の炎が浮かび村の長、如月様の声がいやに響く 私は巫女衣装を身に纏い長い髪を高い位置で結んでいる 「…これより陽菜を妖の森に…成人の証を従えて戻って来るのじゃぞ…」 「はい。如月様」 成人の証とは妖の森にいる妖怪を従えて戻って来ること 「陽菜頑張って来るんだよ!…これを持って行きな」 「ありがとう母様!行って来まーす♪」 私は緊張を隠すためにわざと明るく振る舞った 母様に渡されたのは少しの食料と妖怪と戦う時に使うお札、そして細剣だ この村では皆、剣の使い方や呪文の言い方などは小さい頃から習っている 「強い奴連れて帰るからね♪待っててね母様」 私は母に手を振って暗い森の中に姿を消した…
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