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「…ぅ……ぅん?」
赤髪の女が目を覚ますと、そこは大きなベッドの上だった。
腹の辺りに黒髪の男が倒れ、少し離れたところに『あの本』があった。
「ちょっと!!おきなさいよ。」
女は男の顔をぺしぺしと叩いて起こした。
「…んー?」
男は寝ぼけた声を出して顔を上げ、キョロキョロと辺りを見渡し、女を確認した。
「……ここ、どこ?」
赤髪の女がそう聞くのも当たり前だ。
2人はさっきまで図書館にいた。
だが、この部屋には、2人がいるベッドに、高級そうな絨毯、テーブルの上には薔薇の花束まで飾られている。
2人が上半身をおこし、状況を理解しようとしたときだった。
「じゃあ、ピクル。しっかりやるんだよ。
終わった頃に確認にくるからね」
木の扉の向こうから中年女の声が聞こえる。
「はいっ!頑張ります!!」
ずいぶん緊張したような堅い若い女の声も聞こえた。
ガチャ……
ギィー――…
重い音を立てて扉が開いた。
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