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〔私が愚かだったのです〕
王の言葉、王の行動。
何一つ疑わず、盲目的に従った。
その結果、イーギスは故郷を失った。
王命には従えない。
それは、騎士になって初めての抵抗。
王命に従えない以上、騎士として生きて行く事はできない。
だからこそ、イーギスは騎士の証を捨て、国を捨てて旅人になったのだ。
だからこそ、カザフィルには戻れない。
サイラフに行けば、海を越えた先にあるケルフィア国がある。
追っ手もそこまでは来ないはずだ。
そう考えて、イーギスはサイラフに向かう決意をしたのだ。
出来ることなら、出発を明朝にしたかったのだが、そう呑気にしていられる状況でもない。
必要最低限の水と食料を買うと、イーギスは夕闇が迫るなか街を出た。
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