序章

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繁華街の路地。 オレはじっと行交う人を見つめる。 コートを着た、バーコード頭の中年親父。 パス。 少し若めの革ジャンを着た青年。 パス。 「ねぇ、暇してるの?」 声のほうへと視線を向けた。 質のよさそうならコートを着た、親父。 金は持ってそうだし、あっちから声をかけてきた。 OKかな。 「オレの相手してくれる?」 少し色っぽい声で聞いた。 親父は鼻の下をだらしなく伸ばし頷く。 オレは親父ににっこりと微笑んだ。 これはGAMEだ。 刺激のない毎日に刺激を与える。 刺激はあるけど、くだらないGAME。 ゆっくりと親父の手がオレの腰に回る。 キモいんだよ。 心の中で悪態をついた。 表情は微笑みを絶やさずに…。 ゆっくりとした歩調で、歓楽街へと向かう。
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