空白

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久しぶりに、皆に逢いたいが、現状ではとてもかなわないだろう。 以前、ユグドラシルの三人が、俺に対して、警告した内容を思い出していた。 この街で、俺の足跡に細工を施している、不審な連中の存在。 ちっ。 シティ・ナゴヤまでは、リニアレールで30分程度の距離だが、皆と接触するリスクを考えると、それなりに危険が伴うだろう。 俺は、内心で舌打ちを続ける。 …今回は無理かな。 運が良ければ、コバヤシ大尉には逢えるかもしれないが、いずれにせよ、向こうの都合によるだろうし、返ってリスクは高まるだろう。 やれやれ。 俺は、再び、マールボロを取り出して、指先で、クルクルと弄んだ。 左手の中で、ジッポーの蓋が、バネの金属音を響かせる。
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