流転

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俺は、自問自答を繰り返すが、正直、心当たりが在り過ぎる。 ただ、可愛い女子高生とか、一目惚れした美人妻とかじゃないな。 そっちに心当たりは無いが。 借金取りとか、企業市民局の水道課とかでも無さそうだ。 勿論、電気課でも無い。 組織的な統率と、訓練された身のこなし。 俺は、すっかり囲まれているようだ。 …何時から? 恐らく、親父さんの店からだな。 これだけの人数だったら、ノーラのジムを制圧する方が確実だし、隠蔽工作も楽な筈だ。 俺が、路地裏に入る可能性は不確定だし、街中でやり合うのは、リスクが高すぎる。 俺は、ノーラ達に危険が及びそうに無い事を確認して、少し気が楽になった。 塒までは、特定出来て無いって事だ。 いや、しかし、このままじゃ帰るに帰れないぞ? 来客用のティーカップだって数が足りそうにないしな。
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